変わらない毎日と体の異変

高校時代の事は、覚えているようだけど、所々綺麗に真っ白なところがある。


正直、記憶が飛び飛び。


ある日の1時間目の授業は、現代社会だった。

移動教室で、現代社会での私の席は一番前。

後ろの席になった時は、たまに眼鏡をかけて授業を受けていた。

って言うぐらいの、ほんの少しだけ視力が悪い程度。

一番前の席なら黒板はよく見える。


の、はずだったんだけど、

授業が始まって数分後、

急に私の目は見えなくなった。

まさか突然視力が落ちたのかと思い、慌てて持ってきていた眼鏡をかけた。


近くのものは見えるはずなのに、霞んでいて教科書の文字が見えない。

黒板だって、何が書いてあるのか、ぼやけていて読めない。

周りが真っ白になっているわけじゃなく、ぼんやり、ぼやけていると言うか、何が書いてあるのかが認識出来ない感じだった。


そんな自分のピンチな時にでさえ、とっさに私は男子たちのことを考えてビクビクしてた。


『こんな状態で教科書読めとか言わないでよね』

『絶対、発表させないでよね』

『見えません、読めません。なんて言えない。言ったら理由を聞かれる。理由なんか私だってわからない。だって突然目が見えなくなったんだもん。』

『こんな状況で変に目立ちたくない』

とか、先生に祈るように、目を絶対に合わせずに過ごした。


関西人のサバサバした感じの先生だったから、いきなり目が見えないなんて言ったら、きっとサラッとネタにして笑いに変える。そんな印象の先生。

普段、何でもない時は楽しいけど、私のこのイジメられてる状況でネタになんてされたら、男子たちがまた面白おかしくイジメのネタにするんじゃないかと怖くなった。


それにしても、まだ1時間目。

私の目はずっと見えないままなのかな?

なんて、すごく不安になった。

とにかく私は、変に目立ちたくなくて、1日がどうか目立った事なく、平和に過ぎていってほしいと考えていた。

私の存在はないものとして過ぎてほしいぐらいだった。


そんな事ばっかり考えているうちに、なんとか授業が終了。

気付いたら目も見えるようになっていた。


あれは何だったんだろう。

一時的なもので、その後は全くそんな症状は出た事がない。


もしかしてストレスは、目にもくるのか?とその時思った。


目が見えなくなるほど、私はストレスを感じていたらしい。


こんな事ってある⁉︎って思った不思議な経験となった。

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