受け入れてもらえた
新しいクラスメイトは、私の事を何も知らない。
これからどんな風に関係を作っていけるのか、嬉しくもあった。
お決まりの自己紹介タイムがあり、私はそこで、同じクラスに私と同い年の子がいる事を知った。
その子は、他県からの転校生だった。
私は留年した事を全員の前では言わなかった。
初めに言ってしまったら、私に対してのイメージが出来上がってしまうのが嫌だったから。
歳なんて関係なく、同じ目線で接して欲しかった。
自己紹介も終わり、だいぶクラスの仲もなごやかになってきた頃、私も話の流れから、留年している事を話した。
クラスの人数が少ない事で、一度話すだけで、ほぼ全員に知られるという、メリットもデメリットもあるクラスだ。
それでも、クラスの子たちは、同じクラスに2人も留年者がいるとわかって逆に面白がっていた。
私は、それが凄く嬉しかった。
自分を受け入れてもらえた気がした。
もう一人、本当にたまたま、同じ歳の子がいるってだけでも心強かったのに。
留年して、良かった。
そう一番最初に思えたのは、クラスメイトの優しさだった。