席替え

私をいじめたリーダーとなる男(Aくん)の意見で、クラスで席替えがあった。

担任も同意。


全く楽しみを感じない。

彼らの近くにならない事だけを祈ってた。


クジ引きでの席替え。



よりによって、隣の席になったのは、私をいじめてる男子の内の1人。


最悪。

すごい確率。


何も気にしてないフリして私は席に着いたけど、隣の男子は仲間達から指を指されてからかわれていた。

中には本気で私の隣になった事を可哀想だと思ってるかの様な表情で見ていた仲間の男子もいた。


『うわっ。あいつ隣⁉︎』

『わー……それはかわいそー』

『頑張ってー!がはははは』


…えっ?そこまで?

って私は思った。

私が隣になった事で、こんなにも嫌がられるんだ。

私、そんなに嫌われてるんだ。

何もしてないのに。

私の事、何も知らないくせに。


胸がギューって苦しくなった。

涙が出そうになった。

でも泣くのを我慢した。

泣いたら負けな気がした。

泣いたら自分の中での僅かな逃げと認めたくない自分を認める事になると思った。


周りは気付いていたのかな?

誰もフォローはしなかった。

みんな聞こえてないかの様にそれぞれが過ごしてる。


周りの声なんて入ってこなかった。

私は一人で彼等の声に怯えていた。


明日から学校に行くの嫌だなー。

苦痛な空間

クラスの女子たちは私がまさか、男子から酷い言葉を言われてるなんて知らないかの様に接してきてくれる。


本当に気付いてないのかな?


私に聞こえてるってことは、周りにいる子たちにも聞こえてるはずだよね?


じゃなかったら私の勝手な被害妄想って事!?


中学から続いていたから、もうわけがわからなくなってきていた。


トラウマ状態。


女子は、普通にしてくれている。

男子は、クラスの数名以外は普通に接してくれていた。


と言っても、用事がなければ男子とは話す事はなかったけど(-.-;)


私になんやかんやと言ってくるのは、最初の2人から、気付いたら5人に増えていた。


その5人、クラスの中心人物となっていた。


①Aくん リーダー(留年し、転入してきた)

②Bくん リーダーの次に強い権力

③Cくん リーダーに気に入られている。少しいじられキャラ

④、⑤Dくん 、Eくん

この2人は仲がとても良くいつも2人でいた。最初は目立ってはいなかったが、強くて目立つリーダー達に憧れていたのか、強い者に合わせるタイプ。仲間に入って調子に乗っている感じ。


Dくん.Eくんの最初の印象は大人しい感じだと思っていたが、Aくん.Bくんの2人に影響された様で、

悪く言えば、調子にのって粋がっている。

って言う印象を受けた。

むしろ私の事を面白おかしく言って、嫌って、仲間に入れてもらったんじゃないか?って思うぐらいだった。

権力がある2人に憧れてる子分的存在にも感じられて私はそれがまた怒りでもあり、悲しくなった事だった。


最初の2人もそうだけど、あとの3人なんて、全く関係ないよね!?って思った。


私が通っていた学校は、授業によってはバスでの移動がある科目もあって、それがまた苦痛だった。


週に2回程。

バスって言う狭い空間にクラス全員が居合わせる。


私の耳には、ダイレクトに悪口が入ってくる。


バスの席は決まっていない為、私が彼等の近くに座らなければならない時は地獄だった。

毎回毎回、席が落ち着くまで飽きる事もなく彼等は言っていた。

『うわ。最悪。場所代わって』

『臭くなるわー』

『くさっ、くさっw』

『やめろよ!お前がこっち座れよー』

なんて言葉ばっかり。

実際、他にも言われていたと思うけど、今の私にはもう記憶がない。


嫌な記憶を抹消したかの様に思い出せない。

ただ、『臭い』って言葉だけは忘れられない。

すごく言われて傷ついた言葉。

すごく辛かった。

私、臭くないよ!って汚くないよ!って。ずっと思ってた。


汚いものを扱う様に、私を扱わないでほしかった。

悲しかった。

でも、彼等に直接なんて、どんな反応が返ってくるのか怖くて言えなかった。


言ったところで『は?』なんて冷たくあしらわれたら私はもっと傷ついてしまう。

クラスの中心人物の彼等の事だ。

大きな声でバカにする様に笑って余計に事が大きくなるって思うとすごく怖かった。


まだ1年生。

高校はクラス替えがない。

3年間もこの人達と同じ空間で過ごしていかなきゃいけないんだ…って思うと絶望的にすらなった。

言葉の影響力

言葉のいじめって言うのは、暴力を伴ういじめと違って、


『いじめられています』って言う確定や、証拠となるものが、あるようでない。


かなり曖昧なものだと私は思う。




突然、クラスの男子2人が私の方を見て笑っていた。

2人のうちの1人は、私の中学校の1つ上の人だった。

彼は、別の高校を退学して、留年という形で転校?入学?してきたようだった。


入学式の日、

あれ?この人確か同じ中学の…年上だよね??


って気付いて、その時からなんとなくだけど、嫌な感じはしていた。

中学校でも目立つ存在で、女子からかなり人気のある人だったから、顔と名前は知っていた。


よりによってその人かよ。


また目立つ存在の男子から目つけられたのかよー…って思って血の気が引いた。



もう一人の男子は、高校で初めまして。の人。

はじめはその2人から、からかうように笑われていただけだった。のに。



ある時、登校して教室に入ると、入り口にいたあの2人が『くっせー』と、ゲラゲラ笑いながらすれ違いざまに言ってきた。


今そこを通ったのは私しかいない。

だけど怖くて、

私のことだって認めたくなくて、

気のせいだって思いたくて、

席に着いて、カバンを置くのと同時にちらっと彼らの方を見てみた。


彼らは私をみていなかった。


やっぱりたまたまだよね!!

って急に希望が湧くぐらいホッとした。



だけど、

その日は全校集会がある日で、男子1列女子1列に並ばなきゃいけなくて。

私の隣に並んだ男子が彼らにからかわれていたのだ。



え?

やっぱり私のこと?ってさっきの希望はすぐになくなった。


集会が始まるまで暫く彼らはコソコソしながらも騒いでいた。


『臭くなるわーw』

『無理無理無理』

『場所代われってー』

『まじ無理w』



彼らは、私に聞こえてないとでも思ってたんだろうか?

それともわざと聞こえるように言っていたのだろうか?


私のことじゃないと願いながらも、否定出来る自信はなかった。

どうせまた私のことなんだろうと思って苦しくなった。


臭いって言われるのはもちろん、嫌だったし、悲しくなった。

私はバカにされて、私は嫌われる存在になって、また中学の時みたいに男子たちと仲良く出来ないんだ。

クラスの中心にいる彼らから嫌われたらもう終わりだ。

どうにもならない。

一人で生活していかなきゃいけなくなるんだ。ってどんどん私は私を追い込んでいた。



私って臭いの?

自分では何が臭いのか分からなかった。

お風呂だって毎日入ってるし、別に香水つけてるわけじゃないし。

臭い要因色々考えた。

でも思いつかなかった。

友達には、私って臭い?って聞けなかった。

男子が私のこと臭いって言ってる気がするんだよね、って相談出来なかった。


いじめられているのが、気のせいだったとしたら私が自意識過剰だって笑われて変に思われるかもしれない。


いじめられているのが本当だったとしたら、友達は、そんな『臭い』って近付くのも嫌がられてるほど嫌われてる私となんて一緒にいたいなんて思わないよね。


クラスの中心にいる男子と一緒になって私をからかうかもしれない。


いじめ?そんな事が知られたら、臭いって言われて笑われてる私となんて一緒にいるのが恥ずかしくて、嫌で、離れていくかもしれない。


みんな私を嫌うかもしれない。

一人ぼっちになってしまうかもしれない。


まだ入学して日が浅い。

クラスの中心人物に合わせておかないと、って言う雰囲気も感じていた。


急に孤独を感じて怖くなった。