今日からまた1年生

入学式への出席が2回目ということもあり、私は免除になった。


入学式で元同級生達の前に出ていく、私にとっての最初の壁だと思っていたから、出なくていいと聞いて気が抜けた。


入学式後のホームルームからの参加となった。


入学式に出るのも勇気が必要だと思っていたけど、ホームルームからの途中参加って言うのも結構、私にとったら勇気がいる事だった。


何でこの人は入学式に出なかったんだんだろう?

一体どんな人なんだろう?

って、クラスメイトからどう思われるかだけがずーっと気になっていた。


ついに2回目の1年生が始まった。

今度のクラスは男子より女子の方が多いクラス。

15名程のクラスだった。


人数の少なさにホッとしたのと、男子が少ない事も安心した。


人数が少ないからこそ、みんなと仲良くしていきたいな。と、すぐに思った。


出席番号順に席が決まっている。


そこに座り、人が変わったかのように私は自分から前の席の子に話しかけた。


よーし、友達作るぞー!

なんて意気込んだわけではないけど、急に根拠のない自信が湧き出てきて、

『自分からやってみよう!』

って気持ちがあった。



1からやり直す。

その気持ちが、きっと私を変えたんだと思う。

役者ではないけど、違う私になって行動してみたんだと思う。


それが私にはとても良い経験となっていった。

先を決めた強さ 先が見えた時の安心

自分に色々な理由をつけたことで少し肩の荷がおりた。


数ヶ月前までは本当に学校になんて行きたくもなければ、みんなの様子だって気にもならないぐらい、もはや知ったところで私自身がいろいろな悪いことを考えてしまうから考えたくもなかった。


他人からの評価や、他人からの視線、どう見られてどう思われているかしか考えられなかった私が。


母の必死の訴えもあり、初めは、言う事を聞かないとウルサイから学校は辞めない。って言う考えだったけど。

(だって学校に行く事が自分を追い込んでいく辛い事だったから)


学歴ないと仕事がないなんて本当にムカついたし悲しくなった。


私だって好きでこうなったわけじゃない。


なのに何で私が苦労しなきゃいけないのか悲しくなった。



そんな考えから、最初は嫌々だったけど、やりたい事を見つけて何となくだけど楽しみを見つけてからは、学校が本当に怖くて仕方なかった私も、留年して全て1からやり直しという形をとってからは楽になったのを覚えている。


きっと、先が見えなくて不安だったのが、先が見えた事で進む方向が決まった事で安心したんだと思う。


入学式前に一度、学校へ行って前の担任と話しをした。


春休みと言えども、部活がある。

元同じ学年だった顔見知りの男子と玄関で鉢合わせた。

やっぱり誰かしらとは会っちゃうよね…。

想定内だったが、久しぶりの事なので、私は怖くて力がギュッと入った。


相手は驚いた顔で見ていたが、私に声をかけることなく、帰って行った。


ちょっとホッとした。


担任からは、本当にこれで(留年)いいのか?と念を押された。

私はハッキリ、『はい』と答えた。


迷いがない時ってあんなに即答出来るんだなと、今蘇った。

私、留年します。

私は、学科を変更して、それを理由に再び1年生からやり直した。

学科を変えるという、

私はやりたい事があるから学科を変えたんだよ。

いかにもイジメだけが原因ではないよ。

という様な取って付けたような理由で自分をフォローしながらではあったが、

もう決めたんだ、やるしかない。


本当に、1から頑張る。

驕らず、ビクビクせず、明るく行こうと思った。

私は変わる!と決めた。

あの頃、自分でもわかるほど強くなったなーと感じた。


誰に何をコソコソ言われても、負けない。

彼らと会っても怯まない。



不登校中に一人旅をした時、私は人見知りをかなり克服した。

それが、これからこんなに役に立っていくとは…。


新しい学科になり、今までとは教科は違う、もちろん教科書も。


リセットするには目に見える変化がある事が気分的にとても良かった。