出会いに恵まれた

私は留年し、クラスメイトと担任の先生に凄く恵まれたと思っている。


そのクラスは15人しかいないクラスだった。


留年する前は30人超え、担任の先生も苦手だった。


クラス替えはなく、15人で3年間を過ごす事になる。

私たちは他のクラスにはないぐらい、担任の先生を含め、団結力が凄かった。


特別何かあったわけでもなく、初めからみんな仲が良かった。


先生も、今までの私の中の先生とは違うタイプで友達感覚。

親世代の先生なのだが、いい意味で先生らしくない。


教師という肩書きからの損得より、しっかり生徒のことを考えてくれる良い距離感のある先生だった。


先生はあっという間に私たちから慕われ、他のクラスの人達にまで担任で羨ましいと言われるぐらいになっていった。

退学を選ばなかったこと

私が退学を選ばず、敢えて留年という選択をしたのは、初めはただ、いじめてくる奴らの視界に私が入らないところ、そして私の視界に彼らが入らないところに逃げたかった。


ただそれだけ。


だったら退学が一番良いのでは?

とも思うが、多分、私は冷静になれなかった状況と精神状態であったが、そこで一旦自分のことを考えた時があったのだろう。


どうしても彼らと会うのが怖かった。

何も言われていなくても言われているような気持ちになり、自分の何がダメなのかをひたすら自分に問いかけ、生きていることの意味を考えるようになった。

それぐらい毎日が楽しくなくてビクビクしていて泣いていて、辛かった。


先のことなんて考えられないぐらい、余裕もなかった。


辞めたいの一点張りだった私だけど、

学校の先生は自分のクラスからは退学者や留年する、簡単に言えば、世間一般ではあまり響きの良くない生徒を出したくないのだろう。


でもそこでも頑なに学校へ行かない私。

もうこれ以上は留年になるかもしれない。と言われても、むしろそうしたい、あのクラスには戻る気なんて全くない、と言う気持ちが強くて。

先生は私に留年という選択肢を与えてくれた。


退学をしてしまったら就職に困る。選択肢も狭くなる。

留年で頑張れるならまだ私はもしかしたらやり直しがきくかもしれない。


1からやり直したい。という気持ちが凄く強かった。

というか、そう決めていた。


元々学校が嫌いなわけじゃない。

言葉の暴力が怖くて学校が嫌いになってしまっただけ。

本当は友達作って、他愛ない話をたくさんして笑い合いたい。

楽しい記憶を残したい。


だから

自分の人に対しての接し方も、見直した。

やり直すからには、一応少し興味がある分野とか目標も設定した。


留年を決めてからは、前向きに、勢いも持ちながら。

えいっ!とりあえずやってみよう!

と勢いづいて一歩踏み出した。


留年してからのシュミレーションのような事をやっていた。


何度も思うが、退学しなくて良かった。

留年して結果的に楽しいことが増えたし、結論から言って、ありがたい事に就職も選択肢があった。


何よりも、私の中の学生時代の記憶が最悪で悲しい記憶だけにならなくて良かった。


全てではないけど良い思い出に塗り替えられた事に感謝である。

言葉の傷は深い

あの時以来、他のクラスの男子達は相変わらず私に対する差別をしてくる。


留年前もそうだったが、何故か誰一人として私に直接は言ってこないのだ。


そして、やり方は学年も人も違えど同じなのだ。

私をいじめてきた奴らは、昔から、みんな私と挨拶はもちろん、話した事すらないのだ。

私が近くに来る事を拒み、クサイなどと言ってからかいながら嫌がる。


その度に私は自信を失った。

まだ嫌われる理由があるなら直す事や歩み寄る事も出来るのに。

嫌われている理由がわからないから困っていた。

クサイと言われているのも、何がクサイのかわからず、友達からも指摘された事がない。

私は母にクサイかどうか聞いた事もあるが、何も臭くないと言われ、あまりしつこく聞く私によくイライラされていた。


何もしていない私がクサイと言われるなんて。

私はただいるだけで嫌われてしまうという考えを持ってしまうようになった。


だから体育の授業がない日は本当に心が休まった。


そして、先輩1名、校内でかなり目立つ男子。

またしても接点なんてない人から目をつけられた。

もう、わけがわからない。

またあの時のように精神的に参りそうだった。


共通点は、みんなクラス、学年、校内で目立つタイプの男子。

私は目立つ存在の男子というだけで、条件反射的に怖くなって萎縮していた。

そういうタイプは私を傷付ける。

目立っている人達は苦手でしかなかった。


状況は似ていても、留年前とは違うことがあった。


新しいクラスメイトや担任の先生が支えになっていた。


クラスメイトや先生に、私はいじめられているかもしれない、なんて言った事は一度もない。

私が一方的に、支えてもらっていると感じていただけ。


私は今のクラスになってから、卒業するまで一度も休まなかったのだ。

凄く嫌な事、傷つく事があっても、クラスメイトとの時間が楽しくて毎日学校に通っていた。


皆勤賞だなんて、私が一番びっくりしていた。