退学を選ばなかったこと

私が退学を選ばず、敢えて留年という選択をしたのは、初めはただ、いじめてくる奴らの視界に私が入らないところ、そして私の視界に彼らが入らないところに逃げたかった。


ただそれだけ。


だったら退学が一番良いのでは?

とも思うが、多分、私は冷静になれなかった状況と精神状態であったが、そこで一旦自分のことを考えた時があったのだろう。


どうしても彼らと会うのが怖かった。

何も言われていなくても言われているような気持ちになり、自分の何がダメなのかをひたすら自分に問いかけ、生きていることの意味を考えるようになった。

それぐらい毎日が楽しくなくてビクビクしていて泣いていて、辛かった。


先のことなんて考えられないぐらい、余裕もなかった。


辞めたいの一点張りだった私だけど、

学校の先生は自分のクラスからは退学者や留年する、簡単に言えば、世間一般ではあまり響きの良くない生徒を出したくないのだろう。


でもそこでも頑なに学校へ行かない私。

もうこれ以上は留年になるかもしれない。と言われても、むしろそうしたい、あのクラスには戻る気なんて全くない、と言う気持ちが強くて。

先生は私に留年という選択肢を与えてくれた。


退学をしてしまったら就職に困る。選択肢も狭くなる。

留年で頑張れるならまだ私はもしかしたらやり直しがきくかもしれない。


1からやり直したい。という気持ちが凄く強かった。

というか、そう決めていた。


元々学校が嫌いなわけじゃない。

言葉の暴力が怖くて学校が嫌いになってしまっただけ。

本当は友達作って、他愛ない話をたくさんして笑い合いたい。

楽しい記憶を残したい。


だから

自分の人に対しての接し方も、見直した。

やり直すからには、一応少し興味がある分野とか目標も設定した。


留年を決めてからは、前向きに、勢いも持ちながら。

えいっ!とりあえずやってみよう!

と勢いづいて一歩踏み出した。


留年してからのシュミレーションのような事をやっていた。


何度も思うが、退学しなくて良かった。

留年して結果的に楽しいことが増えたし、結論から言って、ありがたい事に就職も選択肢があった。


何よりも、私の中の学生時代の記憶が最悪で悲しい記憶だけにならなくて良かった。


全てではないけど良い思い出に塗り替えられた事に感謝である。

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