いつまでも休んではいられない
1日があっという間に過ぎて行く。
それは、心では常に「学校へ行かなきゃいけない」と思っていたからだ。
どんなに休んでいても、慣れることなく母は、
「明日は?」と聞いてくるからだ。
時々、「どうせ明日も行かないんでしょ?」
「弁当作る都合もあるんだから、行くの?行かないの?」と聞いてくる。
休んでいた最初の頃は、行かなくても毎日お弁当を作ってくれていた。
朝になって急に私が学校に行くって言うんじゃないかと母は期待と、お弁当がなかったら困るだろうと思っていたのかもしれない。
そのお弁当を私は、いつも家で食べていた。
「明日は?」と聞かれると、即!
行きたくない。
行くつもりない。と内心思っていた私だが。
素直に「明日も行かない」「ずっと行かない」「もう行きたくない、学校やめたい」なんていえなかった。
行かない、辞めたい、なんて言って母に怒られるのが怖かった。
感情的になって今後について辞めない様に説得させられるのが怖かった。
正論や先の不安や心配に丸め込まれて仕方なしにそれに従ってしまうことになるのが怖かった。
だから言ったじゃない!と言われる事になるのを恐れていた。
いつも、不安や心配が先に出て一歩が踏み出せない。
不安や心配は大人たちが吹き込んでくる。
大人たちが先を見据えたかの様に冒険はさせない。
一番、一般的で、一番、安全そうなやり方を教えてくれる。
春に近付くにつれて、一日がますます早く感じるようになった。
いつまでもこのままではいれない。
それはわかっていた。
休み始めは、まだまだ来年まで時間はあるし。
なんて余裕もあったけど、
新年度が近付いてくると、嫌でも自分の道を決めなきゃいけなくなる。
高校は、義務教育ではない。
4月になれば、みんなは学年が上がる。
私は、もう単位が足りない。
確か、担任はあの頃、試験か何かを受けたら留年しなくて済むかも。とか言っていたような…
それを母に話したらしい。
でも、私は、あのクラスには戻りたくない。
私は、彼らがいるクラスには行きたくない。
試験を受けるなんて考えは全くなかった。
留年になるか、自主退学になるか。
どちらかだった。