即効性が欲しかった
即効性があるわけじゃないのは聞いていたけど、今すぐにでもどうにか楽にしてもらいたかった私としては、もどかしい気持ちになった。
余計に焦ったって言ってもいいかも。
そんな感じを繰り返して、精神科には3カ月通っただろうか?
通ってないかもしれない。
私は薬を飲んでも全然変わらないと思って通院を勝手に辞めてしまった。
お医者さんにも、自分の事を打ち明けられないのに、私は何の為に病院へ行ったのか。
お医者さんになら、素直に助けてって言えると思ったのかな。
お医者さんなら、私が多くを語らなくても、気付いてくれるはず、助けてくれるはずって期待してたのかもな。
私が言わなければ相手はわからないよね。
信じて頼りたかったけど、人を信じられなかった私は、どこへ行っても誰が相手でも、自分が嫌われてる事、自分が汚いもの扱いされている事を打ち明けられなかった。
そんな扱いをされている私を知られるのが恥ずかしくて言えなかった。
そんな扱いをされている私をお医者さんたちはどう思うだろう?
うわー…この子汚いっていじめられてるのかぁ。って思うかな。
気のせいではない?って言われるかな。
お医者さんから学校に話が流れていくとは考えなかった。
ただ、そんな扱いを受けてる私が恥ずかしかっただけで本当のことを隠してしまった。
薬を飲み切ってからも相変わらずザワザワして不安と闘ってはいたけど、あの日以来、自殺願望は出ていない。
薬を飲む前と飲んだ後の心の様子に変化はなかった。
自殺願望は、母とのやり取りのおかげで目が覚めたと思ってる。
結局、薬って何だったんだろう。
あの頃の私にとっては、気休め程度のものでしかなかった。
『なんとなーく、わかんないけど、少し効いてる様な?』ぐらい。
秋も終わり頃になり、既に3カ月も休んでいた。
通院していた頃も、母には、学校へはいつになったら行くつもり?と聞かれていた。
母は母なりに気をつかって、うるさく言わない様にはしていたらしいが、やはり専業主婦という事もあり、家に居れば毎日顔を合わせるので、母もヤキモキしていた。
あんなに家で騒いだ割には、いじめについてまだ母に話せなかった。
そして学校では、何ヶ月も休んでいる私のことで担任が動き出していた。